機能性表示食品も特定保健用食品(トクホ)も「食品」です
私たちが日常的に接する機会の多い健康食品に、「機能性表示食品」と「特定保健用食品(トクホ)」と呼ばれるものがあります。両者ともスーパーやドラッグストアなどで気軽に購入できる食品です。生活習慣病の予防や、健康の維持・増進を目的として開発されています。それぞれの違いをみてみましょう。
機能性表示食品は、事業者の責任において「糖と脂肪の吸収をおだやかにする」「睡眠の質を高める」といった、健康の維持・増進に役立つ効果をパッケージや広告に表示できる食品です。一方の特定保健用食品(トクホ)は、健康の維持・増進に役立つことが国の審査で認められ、「コレストロール値を下げる」といった表示ができる食品となります。いずれも、あくまで食品であって医薬品ではないことに留意しておきましょう。
たとえば、高血圧で治療中の方が「血圧を下げると書いてある特定保健用食品(トクホ)のお茶を飲み始めたから」という理由で通院をやめ、そうしたお茶ばかり飲んでいても治療しているとは言えません。生活習慣病と医師に診断された方は、医薬品を使用することで治療となります。現在治療中の方が摂取する場合は、医師や薬剤師によく相談するようにしましょう。
医薬品との混同にご注意を!
「医薬品」は疾患の治療に使用する薬で、厚生労働省が管轄となります。対して、「機能性表示食品」「特定保健用食品(トクホ)」は前述の通り健康の維持・増進に役立つ食品で、消費者庁の管轄です。機能性表示食品も特定保健用食品(トクホ)も病気の方を対象とする医薬品は異なり、健康な方が摂取する想定で作られています。
もちろん、機能性表示食品・特定保健用食品(トクホ)でも医薬品でも、効能効果には個人差があります。医療用医薬品であれば、処方には医師の診察が必要です。血圧測定・血液検査・画像診断等でその効果を診断することにより処方量の調整が行われます。それぞれの特性を踏まえた上で、一人ひとりの健康状態に合ったものを選ぶようにしましょう。
【参考】消費者庁ホームページ(外部サイトが開きます)