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義務化項目に関する在宅事業部の取り組み〜2021年度介護報酬改定を受けて〜

在宅事業部 副部長の稲葉典子です。2021年度介護報酬改定では、介護保険事業所にさまざまな項目で委員会の設置や規程が策定されたほか、研修・訓練の実施などが義務化されました(「令和3年度介護報酬改定について」厚生労働省/外部サイトが開きます)。これを受け、社会医療法人甲友会の在宅事業部では、研修の実施や規程・マニュアルの作成に取り組んでいます。この記事では、2022年度における取り組みから5つの項目をご紹介いたします。

 

 

 

(1)感染症対策の強化

感染症対策に関する委員会の設置やマニュアル作成は各事業所で完了。訓練については、それぞれ「訪問・通所・入所施設」それぞれの特性に違いがあることから、事業所ごとに実施しました。

 

研修では、動画を取り入れる工夫をしました。『ここがちがうよ 感染対策』と題し、新型コロナウイルス感染症に罹患した利用者宅を想定した寸劇を撮影。看護職員がわざと誤った感染対策を実施している場面を研修用動画として作成しました。各事業所の職員には、動画を視聴しながら間違い探しをしてもらいます。その解答をGoogleフォームを活用し送信してもらうことで、職員が集まることなく、一人ひとりのタイミングで全員が受講できるようにすることができました。

 

 

(2)BCPの取り組み

2022年度は各事業所での機関型BCP策定が完了しました。訪問看護センターとケアプランセンターはオールハザード型BCP、デイケアと老人ホームは、自然災害と感染症のハザード別BCPを策定し、西宮市瓦木在宅療養相談支援センターは、西宮市内5圏域に設置されている相談支援センターと協力しながらBCPを整備しました。

 

 

研修は、BCPについて説明したパワーポイントを作成し、そこにナレーションを入れて15分ほどの研修用動画を作成しました。感染症対策と同様、こちらも職員に視聴してもらい、感想や意見をGoogleフォームで回答してもらうようにしました。訓練は、各事業所の特性に合わせて内容を検討し、体系化された避難訓練などを実施しています。今後は近隣住民の皆さまとの訓練実施も視野に入れながら、ブラッシュアップしていきたいと考えています。

 

 

(3)認知症関連研修の実施

各事業所では、介護報酬改定による義務化以前より、認知症への対応力向上のための学習を支援しておりました。今回の義務化により、情報公表制度の申告時に、研修の実施状況の記載も必要となったことを機に、業務終了後に「オンライン+少人数集合型」で認知症対応研修を実施しました。

 

 

職員が知っておくべき認知症関連の知識について、訪問看護センターの認知症ケア専門士が『「認知症かも?」と気が付くサインを知ろう』と題して講義を行い、グループワークで知識の定着を図りました。研修は動画撮影し、欠席した職員も視聴できるようにしました。

 

 

(4)ハラスメント対策の強化

在宅事業部では2021年度に『社会医療法人甲友会 在宅事業部 介護現場ハラスメント対策マニュアル(第1版)』を策定し、法人専用のシステム内で誰でもアクセスできるようにしました。このマニュアルでは、基本方針や相談フロー、訪問開始時の利用者への依頼文などを整備しています。

 

研修は、2021年度・2022年度とも厚労省のホームページ「介護現場におけるハラスメント対策(外部サイトが開きます)」にある三菱総研の研修動画「介護現場におけるハラスメントに関する職員研修」を視聴してチェックリストを点検してもらい、数人ずつの職員で感想や経験を共有してもらう形式で進めました。

 

 

(5)高齢者虐待防止の推進

こちらも『社会医療法人甲友会 在宅事業部 虐待の防止のための指針(第1版)』を作成し、2021年度より虐待防止への理解を促す研修を、「オンライン+少人数集合型」で実施しました。

2021年度は「高齢者虐待への対応 基礎編+実践」として、西宮市瓦木在宅療養相談支援センター所長による講義を受講し、グループワークを行いました。2022年度は「非意図的虐待」について研修を行い、上述の指針について紹介しながら理解を深めました。

 

 

 

2023年度に向けて

2023年度はさらなる知識の定着を図るとともに、取り組みがマンネリ化しない方法を模索しているところです。また、「訪問・通所・入所施設」それぞれの特性を活かしながら、さらに効果的な研修を実施するには、在宅事業部全体ではなく各事業所に合わせて発展させたほうが良いこともあります。

 

限られたリソースにおいて、研修受講などの時間を作り出すために業務を効率化する必要もあり、今後はオンラインの研修コンテンツ活用も視野に入れています。今回の義務化がプラスに転じるよう、在宅事業部のさらなるサービス品質向上につながる取り組みを検討していきます。

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