知っておきたい脳卒中の基礎知識
脳卒中は急に起こる脳の血管障害で、手足の麻痺(まひ)などさまざまな症状を引き起こします。重い後遺症が残ったり、死に至ることもある病気です。脳血管から出血する脳出血やくも膜下出血といった出血性脳卒中と、脳血管が詰まる脳梗塞に大きく分けられます。
【参照】日本脳卒中学会ホームページ「脳卒中の病型分類」(外部サイトが開きます)
原因は色々ありますが、主な原因は高血圧です。他にも、脂質異常症、糖尿病、心房細動(不整脈)、脳動脈瘤や脳血管奇形、遺伝的要因が原因となることもあります。
脳卒中にならないために
脳卒中が起きる前に、まずは原因に対する治療を始めることが大事です。健診で生活習慣病や心房細動を指摘されたら、医療機関を受診し必要な治療を開始しましょう。すでに生活習慣病の治療中である場合や、脳血管の異常を指摘された血縁者がいる場合は要注意です。脳や脳血管に異常がないか、頚動脈エコーやMRI/MRAなどの検査を受けてみてもいいでしょう。
疾患にもよりますが、脳卒中予防の治療には、内服を中心とした内科的治療、放射線治療、そして手術があります。手術には開頭手術や、傷口が小さく患者さんへの負担が少ないカテーテル治療があります。
脳卒中になってしまったら
脳卒中は日本人の死因の第4位で、介護を要する原因疾患の2割近くを占めています。ご自身や周りの方で、意識障害や手足の麻痺(まひ)などの症状がみられたら、救急車を呼ぶなど、速やかに医療機関を受診しましょう。発症から受診までの時間が長くなれば、治療の選択肢が減り、症状が改善せずに重い後遺症が残ったり、死に至ったりする可能性が高くなります。
( 2022.11発行│広報誌「甲友会ナウ」vol.59より)