デイケア・訪問リハビリでの福祉用具の提案について
デイケアや訪問リハビリテーション(以下、訪問リハビリ)といえば「運動やリハビリなどの指導を受けるだけ」というイメージが強いかもしれません。実はその他にもさまざまな役割があります。その一つが、心身機能に応じた福祉用具の提案です。専門職が日常動作を評価し、利用者さまの残存機能や「○○ができるようになりたい」という希望に適した福祉用具を提案します。
心身機能が低下し日常生活に支障がある方に対して、日常生活動作や機能訓練などのサポートを行うための用具・補装具です。歩行器や杖など身体状態に応じたさまざまな種類があります。
デイケア・訪問リハビリによる福祉用具の提案とは
デイケア・訪問リハビリでは、例えば次のような「利用者さまの目標」に合わせ、福祉用具を提案することがあります。
- 入院前と同じ環境で生活ができるようになりたい
- 遠くに外出できるようになりたい
- 自力でできることを増やし、家族の介護負担を減らしたい
専門職が心身機能の回復状況を把握するので、利用者さまの残存機能を活かした福祉用具の選定や環境調整が可能です。「遠くに外出できるようになりたい」方には移動を助ける福祉用具やその方の動きに合った歩行車を選定するなど、利用者さまの「できること」が増えるようにサポートします。
福祉用具選定の流れ
デイケア利用開始時の居宅訪問や訪問リハビリにおいて、心身機能や日常生活動作、環境の評価を実施。福祉用具の必要性を検討し、ご本人・ご家族へ提案を行います。
その後、リハビリテーション会議等で多職種と提案内容を共有し、福祉用具のお試し利用と動作評価を実施します。その結果、安全に生活動作が行えており、環境にも合っていると判断すれば福祉用具の導入となります。導入後も、リハビリテーション会議やデイケア・訪問リハビリの利用時に使用状況の確認をします。また、必要に応じて使用方法や介助方法をご家族に指導するケースもあります。
心身機能や生活目標は利用者さまによって違います。大切なのはお一人おひとりの暮らしに合った提案をすることです。その方に合った福祉用具を使用することで、生活範囲の拡大やレスパイトケア(詳しくは「デイケアが担うレスパイトケアとは」を参照)につなげます。
(2021年3月発行│ほほえみ通信ぷらすvol.12より)
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