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ポジショニングとは~快適な姿勢のつくり方~

 

脳梗塞などの後遺症として運動機能障害を持たれた方に対して、セラピストはクッションなどを利用し、安全で快適な姿勢を保つことを行っています。これを「ポジショニング」と言い、適切に行うことで、いわゆる「床ずれ」による皮膚へのダメージを避けることも可能となります。リハビリテーションにおけるポジショニングの目的と、その活用例についてご紹介しましょう。

 

 

 

ポジショニングの目的

ポジショニングの目的は、

 

  • 身体を安定させその姿勢を保つこと

 

  • 筋肉の緊張、こわばりを緩めてリラックスさせること

 

  • 体に掛かる圧力のムラをなくして平均的にすること

 

  • 対象者が動こうとした時にサッと動き出せるようにすること

 

の4つがあります。例えば、介護が必要で、生活の中心がベッド上の方の場合、安楽に過ごせる時のポジショニングと、ベッド上で食事を行う時でのポジショニングは異なってきます。同じ方でも、さまざまな生活のシーンに合わせて考えていく必要があります。

 

 

 

ポジショニングのポイント

セラピストはどのようなことに注意しながらポジショニングを行っているのでしょうか。「寝る姿勢」を例に考えてみましょう。寝る姿勢では、ただ広い面積で身体の重さを支えるのではなく、下図の赤い丸の部位で重さを受ける姿勢を作ることが大切です。そのために、適切な部位で支えられるようにクッションなどを活用します。

 

 

例えば写真(1)のように、マットレスからふとももとふくらはぎが大きく浮き上がり膝関節を伸ばせない方がいらっしゃいます。足全体で支えていた重さが太い矢印の方向へ移動することで、局所的に圧が上がってしまいます。圧の高まりが持続すると皮膚にダメージを与えてしまい、いわゆる「床ずれ」ができます。

 

写真(1)

 

こうした場合、写真(2)のように除圧マットレスだけでなく、ふとももやふくらはぎでしっかり体重を受けるようにクッションでポジショニングを実施し、矢印のように圧を分散させることで皮膚へのダメージを避けることができます。

 

写真(2)

 

クッション選びのコツ

クッションを選ぶ際は、ウレタン材のような硬めの素材は土台に使用し、体表面に接するところは形が変化しやすく身体にフィットするものがおすすめです。無理なポジショニングは症状悪化につながる可能性もありますので注意しましょう。詳しくはセラピストに相談ください。

 

 

(2021.5発行│広報誌「甲友会ナウ」vol.53より)

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