呼吸とは〜バイタルサイン〜
生物が身体を動かすエネルギーを作るために必要な要素の1つに酸素があります。この酸素を肺で体内に取り込み、細胞で消費し、老廃物となる二酸化炭素を体外へと排出する仕組みが「呼吸」と言われています。 バイタルサインの中でも「呼吸」は「みて」「きく」 ことによってわかることが多くあります。少し詳しく「呼吸」についてみていきましょう。
呼吸の数え方
呼吸の回数を測るときは、相手に測ることを意識させずにリラックスした状態で測ることが大切となります。「吸って吐く」を1回と数え、胸やお腹の動きをみながら1分間測定します。成人の場合、1分間に12~20回の数が正常値とされています。
正常値は年齢によって異なり、新生児では35~50回、乳幼児は30~40回と言われています。これは新生児から学童期に至るまでの間は肺の成長途中であり、1回で換気できる量が少ないため、呼吸の数で取り込む酸素の量を補っているからです。
正常呼吸とは
安静時に、1分間の呼吸が30回を超えていたり、「ヒューヒュー」と異音が鳴っていたり、呼吸のリズムが一定でなかったりと、いつもと呼吸パターンが極端に違う場合はいろいろな病気が関連していることが考えられます。
唇の色が青紫色になるチアノーゼは、血液中の酸素濃度が低下した際に現れるサインなので特に注意が必要です。異常を見極めるには普段からの呼吸の回数・深さ・リズム・呼吸音を知り、異常が現れた際には何が原因か探っていくことが大切です。
(2020.05発行│広報誌「甲友会ナウ」vol.50より)