お楽しみ嚥下食│ステーキゼリーとウイスキーゼリー
皆さん、こんにちは。西宮協立リハビリテーション病院栄養科です。
今回は「お楽しみ嚥下食(えんげしょく)」のエピソードを紹介させていただきます。
胃ろうを作られ、栄養補給をされている方がいらっしゃいました。お話はしっかりできるのですが、口から食べることだけがどうしても退院直前まで難しく、食事はゼリー状のもので、おたのしみ程度となっていました。
ある日、「食べたいもののリクエストはありますか?」と担当の言語聴覚士が問いかけると……
「ステーキ! それとウイスキーやな!」
と即答されました。なかなかの難題です。すぐに、主治医にウイスキーを使ってもよいか確認。許可をいただいた上で、ステーキのゼリー食とウイスキーのゼリーをお届けすることが決まりました。
ステーキはローストビーフを使って作り、仕上げにはローストビーフソース。仕上がりはこんな感じになりました。
料理はやはり見た目も大切。ゼリーでありながら、お肉感のしっかりある仕上がりになったと思います。
ウイスキーゼリーもアルコール分をある程度飛ばして、できあがりました。
毎回のことですが、お届けするときはドキドキです。
「お味はいかがですか?」
「おぉ、うまいな〜、ウイスキーに合ってええなぁ」
この言葉にはホッと一安心。いつも召し上がっておられる食事の、倍以上を召し上がっていただけました。これには、担当の看護師さんも驚き、すぐに主治医に報告してくれました。
今回も、食事を通じて新たな笑顔に出会えた素敵な1日となりました。
これからも、1人でも多くの笑顔に出会いたいものです。
それでは、次回まで。