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口腔機能向上とリハビリテーション〜最期までおいしく、楽しく、安全な食生活を〜

 

「最期まで好きなものを食べたい」。その気持ちは健康的な生活にとって大切なことです。食べる楽しみをもつことによって、さまざまな効果が期待できます。

 

たとえば、食べる楽しみをもつことで、意欲が向上し、会話や笑顔が増え、社会参加が継続できるようになる。低栄養や脱水の改善、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)などの予防にもつながる、などです。

 

ところが、加齢にともなって口腔機能は低下しやすくなる傾向があります。口腔機能は、「食べる」「話す」際に重要な役割を果たしています。最期までおいしく食べるために。「口腔機能向上とリハビリテーション」についてご紹介します。

 

 

 

1.【セルフチェック】口腔機能の低下はありませんか?

まずは口腔機能の状態チェックから。次の11項目のうち、ご自身がいくつ当てはまるか数えてみましょう。

 

  1. 固い物が食べにくい
  2. お茶や汁物などでむせることがある
  3. 口がかわきやすい
  4. 薬が飲み込みにくくなった
  5. 話すときに舌が引っかかる
  6. 口臭が気になる
  7. 食事にかかる時間が長くなった
  8. 薄味がわかりにくくなった
  9. 食べこぼしがある
  10. 食後、口の中に食べ物が残りやすい
  11. 自分の歯または入れ歯で左右の奥歯をしっかりと噛みしめられない

 

どれか1つでも当てはまった方は口腔機能低下の可能性が高く、注意が必要です。2項目以上が該当する方は、口腔機能向上リハビリテーションの対象となります。

 

 
※参考:「口腔機能向上マニュアル」分担研究班研究班長 日本大学歯学部摂食機能療法学講座教授 植田耕一郎「口腔機能向上マニュアル〜高齢者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために〜(改定版)」(平成21年3月)

 

 

 

2.なぜ高齢になると口腔機能が低下する?

なぜ高齢になると口腔機能が低下しやすくなるのでしょうか?

 

実は、口の中にはたくさんの筋肉があります。そのため、手足の筋肉が衰えることと同様に、口腔機能も「加齢」や「動かないこと」によって機能低下が生じるのです。たとえば、上記のチェック項目で1つ以上当てはまる項目があった方。近頃、握力が低下していると感じませんか? 握力は全身の筋力を表わす指標とされています。

 

その他にもさまざまな原因があり、たとえば脳の疾患等の影響で話しにくくなったり、食べにくくなったりするケースがあります。また、転倒によって歯が折れてしまい固い物が食べられず、柔らかい物しか食べられない期間が続いた場合などでは、口腔機能が低下する場合があります。

 

口腔機能が低下すると、噛むことだけでなく、飲み込むこと(嚥下−えんげ)がうまくできなくなる場合もあります。これを嚥下機能低下や嚥下障害と言います。

 

 

 

3.口腔機能リハビリテーションについて

デイケア(通所リハビリテーション)では、口腔機能向上加算として、言語聴覚士や看護師などが口腔機能向上のサポートに取り組むことができます。

 

主な口腔機能リハビリテーションの内容は次の通りです。

 

  • 舌・歯のブラッシング、頬の機能向上の練習
  • 口の体操や会話・発声の練習
  • 息こらえ練習や、飲み込む筋肉のトレーニング
  • 腹式呼吸の練習

 

 

この他にも、言語聴覚士は口腔機能の状態に適した食べ物の固さや大きさなど、食事の工夫についての指導や、食べる時の姿勢の指導・練習なども行います。

 

 

 

4.西宮協立デイケアセンターの実例

「食べたいものを、おいしく食べられるようにする」。これはリハビリテーションにとって大切なことの1つです。西宮協立デイケアセンターほほえみ・第2ほほえみでは、口腔機能向上について、言語聴覚士と関連職種が連携をしてサポートしています。

 

医療・介護関係者の方々を対象としたデイケア広報誌『ほほえみ通信ぷらす』にて、口腔機能向上加算の実例をご紹介しております(以下リンク)。

 

2018.10発行│デイケア広報誌『ほほえみ通信ぷらす』vol.2

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