「デイケア(通所)」と「訪問」2つのリハビリテーション
比較的なじみ深いデイサービス(通所介護)やヘルパー(訪問介護)など、さまざまな種類がある介護保険サービス。その中から、デイケア(通所リハビリテーション)・訪問リハビリテーションという2つのサービスについてご紹介します。
できる限り自立した日常生活を目指し「デイケアと訪問リハビリを同時に利用すること」は、効果的かつ効率的と言われています。今回は、西宮協立デイケアセンターと訪問リハビリテーションほほえみの活用を例に見ていきましょう。
同時利用の3つのメリット
一般的に、デイケアと訪問リハビリは別事業所になっていることが多く、ひとつの事業所内でサービスを提供しているのは全国でも約20%程です(2014年現在)。両サービスを同事業所内で実施することには、大きく分けて次のようなメリットがあります。
- デイケアと訪問リハビリとで担当者が同じであるため、安心して利用できる
- 自宅訪問することで、利用者の心身の回復状況を段階的に把握しながら、通所へ移行するタイミングを的確に判断できる
- 多様なニーズへ対応することで、利用者のもつ能力を最大限に引き出すケアができる
こんな方が利用しています〜デイケアと訪問リハビリの例〜
西宮協立デイケアセンターと訪問リハビリテーションほほえみから、実際の活用例をご紹介します。
【ケース1】
目標:妻の介助負担が減るように、1人でも安全に階段を上り下りできるようになりたい
- デイケア での取り組み
平行棒内歩行、立ち上がり、段差練習など
- 訪問リハビリ での取り組み
実際に使用されているベッドからの歩行練習、ご自宅玄関での階段練習、妻へ介助方法を指導
【ケース2】
目標:買いものなどに行けるようになりたい
- デイケア での取り組み
平行棒内で段差練習、マシーン運動(筋力・持久力向上)、ストレッチ(筋緊張緩和)、屋外歩行練習
- 訪問リハビリ での取り組み
交通機関(バス等)の利用練習、自宅での自主練習の指導
両サービスの共通点
デイケア・訪問リハビリは、利用者さまお一人おひとりが具体的な目標を立て、その達成を目指すサービスです(デイケアを利用したリハビリの流れについてはコチラの記事をご覧ください)。
目標達成のためには、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)をはじめ、医師・看護職、介護職などの多様な専門職、そしてご家族の方々と協力することが必要です。生活機能向上の実現に向けた支援をしていきます。
介護保険サービスには、本ページでご紹介したようにそれぞれの役割や特徴があり、状況に応じて併用することが可能です。上手に活用することで円滑な目標達成につながり、ご自宅での生活が維持・向上しやすくなる可能性があります。
( 2018.9発行│「ほほえみ通信ぷらす」vol.1より)
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