デイケアとは〜デイケアを利用したリハビリの流れ〜
デイケア(通所リハビリテーション)は、日常生活活動の目標を立て、リハビリテーションの専門的視点からチームで支援していくサービスです。デイケア(通所リハビリテーション)についてのより詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。以下、デイケアと呼称します。
ここでは、西宮協立デイケアセンターを例に、「達成したい目標の設定」から「リハビリテーションの開始」「目標達成後のフォローアップ」まで、デイケアを利用したリハビリの流れをご紹介します。
1.「目標」を決める
デイケアの利用を開始するにあたり、利用される方に関する情報が必要となります。主なチェック項目は次の3つです。
- 心身機能の状態や生活の困りごとなどを確認
- 主治医へ「リハビリテーションを行う上での注意点がないか」など、医療情報を確認
- 自宅を訪問し、自宅やその周囲がどのような環境か、ご本人が自宅内でどのように動かれているかなど、生活状況を確認
このように心身機能、生活状況・環境の総合的な判断を前提に、ご本人・ご家族の「○○ができるようになりたい!」という具体的な目標を相談しながら決めていきます。
たとえば、「杖なしで歩けるようになりたい」「近所のスーパーへ買い物に行けるようになりたい」「洗濯物が干せるようになりたい」などなど、人によって目標はさまざまです。
2.リハビリテーション計画を立てる
目標の達成にむけて、リハビリテーション計画書を作成します。
リハビリテーション計画書には、どのようなリハビリテーションを、どんな段取りで、どれくらいの期間行うかなど、具体的な計画をまとめて書いていきます。支援する専門職だけでなく、ご本人・ご家族が主体的に取り組めるよう、分かりやすく記載されていることがポイントです。
3.リハビリテーション会議でチームづくり
ご本人・ご家族、デイケアのスタッフ、医師、その他関係するサービスの方々(ケアマネジャーや福祉用具、訪問介護など)と、一緒にリハビリテーション計画を確認します。
このように、リハビリテーション会議とはご本人を中心としたチームです。目標達成に向けて、各職種が連携しながらリハビリテーションに取り組めるよう、情報交換や話し合いを行います。
4.リハビリテーション開始!
リハビリテーションでは、基礎〜応用練習、実践練習まで幅広く行います。目標達成のために必要な、自主練習や環境の工夫などもアドバイスさせていただきます。
また、ご本人が意欲を持って取り組めるような工夫や、生活のなかにも自然とリハビリテーションが取入れられるような提案も行います。たとえば、日常の家事のひとつ「食器洗い」には”長時間立っていること”、”濡れてすべりやすい食器をもつこと”、”洗った食器を水切りカゴに並べていくこと”など、実に複雑な動作が求められます。意識するだけで、何気ないこともリハビリテーションになり得るのです。
5.デイケアに修了はある?
デイケアでは日常生活活動の目標達成にむけて取り組みます。”デイケアに来たときだけできる”のではなく、”ご自宅やデイサービス(通所介護)など場所が変わっても継続できる”ことを目指します。
目標を達成し、さらに場所に関わりなく継続してできるようになると、修了になる場合もあります。
6.修了後のフォローアップ
デイケアを修了された約1ヶ月後に自宅訪問を行います。
「デイケア修了時の生活・心身機能を保つことができていますか?」
「達成した目標を今も継続することができていますか?」
デイケア修了後のお話を聞き、必要があればその場でアドバイスをします。達成したはずの目標を継続できていなかったり、うまくいかなくなっている場合は、担当のケアマネジャーへ報告・相談。デイケアの利用再開などのご相談をすることもあります。
( 2018.11発行│広報誌「甲友会ナウ」vol.43より)
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