お楽しみ嚥下食 〜今回は鶏肉のから揚げ〜
皆さまこんにちは。西宮協立リハビリテーション病院 栄養科です。
今回はお楽しみ嚥下食(えんげしょく)の紹介です。
嚥下食とは、口の中に入った食べ物を飲み込む機能(嚥下)が低下している方に合わせて、飲み込みやすいように工夫・調整した食事のことを言います。
当院では、お楽しみ嚥下食のご依頼があると、希望された患者さんにお品書きをお見せし、ご自身で選んでいただいています。
なかなかバリエーションに富んだお品書きと思っていたのですが……先日、摂食訓練をする言語聴覚士さんから「あー、●●も▲▲も載ってないー!」とご指摘が……。近々リニューアルする予定となりました。こうした現場の意見も積極的に取り入れていきたいと思います!
このお品書きをジーッと見る患者さん。やがて鶏肉のから揚げを指さし「これっ」と自ら選ばれました。今回のお楽しみ嚥下食はから揚げに決定です。
嚥下食としてでき上がったから揚げは、このような感じに仕上がりました。
いかがでしょうか?
実はこのから揚げ、すべてゼリーでできているのですよ!
から揚げの雰囲気を出すには、アルミホイルをあらかじめクシャクシャと丸め……
……しわを付けたものにゼリーを包んで固めると写真のように、から揚げっぽく仕上げることができます。
今回は、お楽しみ嚥下食初担当の栄養士が作りました。前日から緊張気味でしたが、包んだアルミホイルを開くとしっかりから揚げの形になっていて、当日はひと安心した様子でした。
また、鶏のから揚げのおいしさを演出するには、味だけではなく匂いも大切です。そこで、お皿にから揚げを盛り付けた後、匂いが漏れないようにお皿全体にラップをギュッとかけ、温めてお届けします。
お届けした際、最初にから揚げの入ったお皿をお顔のそばに寄せます。ラップをそっとはずして匂いをかいでもらうと……「おっ、から揚げ!」。しっかりお分かりいただけた様子だったとのことです。患者さんの反応を見た担当栄養士はさらにもうひと安心だったでしょう。
毎回、生まれるちょっとした出会いが、私たち栄養科がお楽しみ嚥下食をお届けする原動力となっています。
次回はどなたのところへ、何をお届けできるのでしょうか。
それではまた、次回まで。