リハビリにビール?!
と、タイトルで驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
皆さんこんにちは。西宮協立リハビリテーション病院 栄養科です。
もちろんお酒の提供はありません。ビールはビールでもビールゼリー。ベースになるビールにはノンアルコールビールを使用しています。今回は久々に「お楽しみ嚥下食(えんげしょく)」としてビールゼリーをお届けする機会がありましたので、その報告です。
リハビリにも楽しみを
食べ物を飲み下す嚥下(えんげ)訓練のための食事が、「1日1回1品だけ」という内容でリハビリ開始になった方がいらっしゃいました。聞くところによるとその方、病気にかかる前はお酒が好きで、よく楽しまれていたとのこと。
ビールゼリーは「お楽しみ嚥下食(えんげしょく)」として提供しています。特に見た目はビールそのもの!
その話を聞いた途端、おせっかい心に火がつきました。担当の言語聴覚士さんに「ビールゼリーはどうでしょうか?」と押し売りに近い問い合わせをしたところ快諾いただき、ビールゼリーをお届けする日時が決定、提供できる運びに。
提供は決まったけれど……
勢いをつけての売り込みまではよかったのですが、久々のビールゼリー作り。ちょっぴり緊張しました。ビールゼリーを作るのはなかなか難しいのです。ビールをビールたらしめているあのシュワシュワ感……苦味と甘味の絶妙なバランス……そういった要素を無くしてしまってはいけません。
お酒好きの方がどんな評価をされるか、いささか心配になってきたので、ちょっと様子を伺いに患者さんのお部屋へ。ビールゼリー……どうですか?
――――おー。ビールの味しとるよ!
ほっと胸をなでおろす私。「見たまんまビールでびっくりした」「甘味も苦味もあり、甘すぎずおいしかった」「いつもの訓練用ゼリーよりたくさん食べられた!」とリハビリスタッフやお孫さんに自慢されていたことを、担当の言語聴覚士さんから聞きました。
やったー! よかったー! うれしいと共にホッとひと安心です。
当院に入院された方が食事を通してうれしい気持ちになっていただけるよう、今後も機会があれば、ビールゼリーや患者さんがリクエストされる「お楽しみ嚥下食」をお届けしたいと思います。
それではまた、次回まで。