おたのしみ嚥下食(えんげしょく)〜お好きな一品お届けします〜
西宮協立リハビリテーション病院栄養科では、患者さんの「食事を食べたい思い」に寄り添い、食べられるようになるための工夫を大切にしています。
3月は久々におたのしみ嚥下食(えんげしょく)の依頼が3件ありました。
嚥下食とは、口の中に入った食べ物を飲み込む機能(嚥下)が低下している方に合わせて、飲み込みやすいように工夫・調整した食事のことを言います。
まずは、当院ではすっかり定番の2品からご紹介です。
1品目はたこ焼きです。
リクエストされた方はたこ焼きが大好きな患者さんで、ご家族からは「朝からたこ焼きを作っているところを見に行きたい、と言っていたんですよ」と、楽しみにされていた様子を教えていただきました。
「たこ焼き、楽しみでしたか?」とお伺いすると、患者さんも「うん」とうなずいてくださり、残さず召し上がっていただけました。
2品目はインスタント焼きそばです。
たこ焼きも焼きそばも直前まで温めてから、お届けしました。ふたを開けるとソースの香りがお部屋に広がります。
お好きな方は想像できますよね。
管理栄養士からしても、「このソースの香りは、なんて食欲をそそるのだろうか!」と毎回驚いてしまいます。
焼きそばはボリュームがあり、全部食べることができず少し残念そうでした。味は本当にインスタント焼きそばそのもの。ご満足いただけたようです。
3品目は今回、初リクエストのフライドポテト!
リクエストされた患者さんは、当院に来られる前、よく召し上がっていたそうです。
初めて作るものは、いつも以上に緊張します。
フライドポテトも、直前まで温め、温かい状態でお届けしました。ふーんと香りを確かめると、患者さんの目がまんまるに!
「お味はどうでしょう? おいしいですか?」とお聞きすると、にっこり、こぼれるような素敵な笑顔をいただきました。
「リクエストされた患者さんの反応はどうかしら?」と、毎回ドキドキのおたのしみ嚥下食。栄養科にとって、食事から生まれる患者さんのとびきりの笑顔が、なによりもよろこびです。
これからも、患者さんにとって食事をすることが、入院生活中の楽しみになることを目指し、リクエストがあれば「おたのしみ嚥下食」をお届けします。
今度はどなたの笑顔に出会えるでしょうか。