骨リボン(Re-Bone)運動
〜甲友会版骨粗しょう症リエゾンサービス〜
平成27年6月より、当法人は「骨リボン運動」を開始しました。これは一体どのような運動でしょう? どうやら骨のことのようなので、発起人でもある整形外科医の瀧川副院長に聞いてみましょう!
Q1.瀧川先生、これは一体どのような運動ですか?
高齢社会において、骨折で要介護状態になる方がとても多い中、骨折予防や再骨折を予防するための骨粗しょう症治療はあまり行われていないのが現状です。当法人では、骨折後の患者さまに、骨粗しょう症治療を行い、その後のご様子をお伺いするシステムを作りました。それが骨リボン運動です。骨折後の患者さまは、継続した骨粗しょう症の治療と、リハビリや自分でする運動がとても重要です。一人ではなかなか続きませんので、当法人が一緒にチームとなって患者さまに関わっていきたいと思っています。
Q2.そもそも骨粗しょう症とはどんな病気なのでしょうか。
簡単に言うと骨がスカスカになる病気です。そもそも骨は、骨吸収(破骨細胞によって古い骨細胞が壊されること)と骨形成(骨芽細胞によって新しい骨細胞が作られること)を繰り返し、新しい骨が作られます。骨吸収と骨形成のバランスが崩れると骨がもろくなってしまいます。こうして骨の強度が低下し、骨折発生リスクが高くなる病気が骨粗しょう症です。
Q3.骨粗しょう症は女性に多いとよく聞きますが、本当ですか?
本当です。しかし男性もなる病気です(年間発生数は約97万人。そのうち女性約81 万人、男性約16万人)。また、骨粗しょう症になるリスクの高い疾患もあります。
Q4.では、この骨リボン運動の目的は?
1)骨粗しょう症治療の継続
2)再骨折予防
3)運動機能の維持です!
Q5.どんな人が対象ですか?
骨粗しょう症の方はもちろん、特に骨折しやすい足の付け根(大腿骨近位部骨折)や、背骨(脊椎圧迫骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、肩(上腕骨近位端骨折)の骨折後の患者さまを対象としています。
Q6.どんなことをすれば骨折を予防できますか?
薬での治療や食生活の改善で骨の量を増やすこと、リハビリで筋力やバランス力をつけること、ものにつまずいてこけないよう、住宅環境を整えることなどです。
Q7.薬で骨が増えるのですか?
はい。今はいろんな種類の薬が出ています。受診時に医師にご相談ください。
Q8.法人全体での取り組みなのでしょうか?
骨折で入院された患者さまは、リハビリのために、西宮協立リハビリテーション病院に転院され、自宅に帰られてからデイケアセンターや訪問リハビリをご利用いただいていますので、法人全体としてこの骨リボン運動を盛り上げていきたいと思っています。
瀧川先生、ありがとうございました。よくわかりました。「最近、背中が曲がってきたかな」、「背が縮んだかな」と思う方は骨粗しょう症を疑ってもいいかもしれませんね。
では、最後に瀧川先生、皆さまへメッセージをお願いします!
私たちの骨折治療への取り組みは、(1)手術が必要な患者さまにできるだけ早く治療を開始する、(2)骨折後も次の骨折を起こさないようにする、という二点を目標にしています。特に(2)の骨リボン運動は、私たちの法人だけでは達成することは難しいため、地域のクリニックと連携をとって進めたいと思います。